昭和の街を駆けた小さな相棒──ダイハツ・ミゼット物語
「超小型」に込められた大きな夢
1957年(昭和32年)、戦後復興の熱気がまだ冷めやらぬ日本の街角に、愛嬌たっぷりの小さな三輪車が颯爽と登場しました。その名も『ミゼット』──英語で「超小型のもの」を意味する言葉です。
鳥の嘴を思わせる丸みを帯びたノーズの下には、ちょこんと1輪のタイヤ。まん丸のヘッドライトは、まるで生き物のように街を見つめています。小さなボディから響く「ブルブル」というエンジン音は、どこか頼りなげでありながら、聞く者の心を和ませる不思議な魅力がありました。
ダイハツ工業が世に送り出したこの三輪トラックは、単なる商用車ではありませんでした。それは、高度経済成長期を支えた庶民の「夢を運ぶ相棒」だったのです。
オート三輪が時代を駆ける