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chaki(茶木)
日本の京都にて元々コントラバスなどのアカデミックな弦楽器を制作していた工房にて、辻井士郎氏が制作を始めたアーチトップギターがその個体の美しいシルエットに魅了されている。
私がこのギターを知るきっかけになったのは、若い時分に大阪のバンド「優香団」 のコンサートに行ったのがきっかけだった、ガッツリブルースにどっぷり浸かったバンドのキャラクターは当時もだが、現在ではとても貴重な存在だったと言えるだろう。
アコースティックの楽器を抱えた4人編成のバンドは皆椅子に座って演奏する…
ライブ中は演者もアルコールを飲んでいたように記憶しているが、演奏を見る観客も勿論酒を抱えての視聴だった、自分は当時職場の先輩と2人で訪れたライブだったが、並べられたホールの折り畳み椅子に座り、スーパードライの大瓶を持ってそのまま飲みながら曲に換気した…
瓶から飲むビールがあれほど不味い物だと思ったのを強烈に思い出に残しているが
それすら彼らの演奏するブルースの病的で暗く喜びの混じったエネルギーは生きている事なる悲しさや寂しさまた明暗である人の根源のような空間へ誘う材料となった。
ブルースとはそう言う物であるのだ…
若い頃にはただ酒を煽って鑑賞するだけの単なる非日常の一幕として出かけた一時だったが、
その経験は長い時間忘れながら、何故だろう、年を重ねて「ふっと」
思い出される…
古臭い個の人生においてセピアともなった記憶の中に微かから、
強烈に思い出される憧れがある。
それは「優香団」のギタリスト「内田勘太郎」がつまびいていたどデカいギターだ!!
当時の記憶では若い自分はプロが使うギターなのだから、高価な物なのだろうと
決めてかかっていたが、
数十年経って興味を寄せる事で分かった事は当時では決して高価な物ではなかったという事実だった。
しかしながら、時代の背景もある、現在では非常に高価な個体となったそのギターは、
唯一無二の存在となっている。
完成されたフォルムは「日本人の心を燃え上がらせる…」
これは自分の主観だけれど、
長い年月を共に完成される傷や経年変化は、まさにジャズであり、ブルースなのだだ…
年齢を重ねて知る事もあるけれど、体の老いとは裏腹に精神年齢はいかがな物なのか。
恥ずかしながら、高校生の頃ギターに憧れてアルバイトして買った安いギター。
その頃から憧れる夢は現在も変わらずに自分の中に潜在している。
時の流れの中で、紆余曲折しながらもたどり着いた、夢の面持ちは今後も
変化するのだろうか…
半世紀以上を人生に費やした今、同年代のヒーロー達には全うして星になる人も日に日に目にする様になった。
どれだけの時間が自分に残されているのか、知る由もないけれど、
まだ残る欲望のまま、このギターを迎え入れる事を決めた。
一度は手にして手放した経験もありながら、再び求める自分の愚かな過ちの心は
きっと次なる高みへ行くことが出来るのだと信じてやまないのである。
それが生きる術なのだから。
「chaki」よ…
喜びは一緒にある。
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