レディ・デイの夏の頃(ビリー・ホリデイのサマータイム)

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こんにちは

過去考察ブログ

retro-flamingoです

今回は女性ジャズ・ボーカリスト御三家の1人

呼称を「レディ・デイ」として知られる

『ビリー・ホリデイ』と

彼女が歌うジャズのスタンダード・ナンバーとして有名な

『サマータイム』 にフォーカスしてその時代背景を見ていきたいと考えます。

『サマータイム』( Summertime)

ジョージ・ガーシュウィン(アメリカ音楽を作り上げた作曲家として知られる)により

1935年オペラ『ポーギーとベス』のために作曲されたアリア(叙情的、旋律的な特徴の強い独唱曲)で、

作詞はデュポーズ・ヘイワードによる。

現在にてもジャズのスタンダード・ナンバーとしては勿論

それに限らず幅広いジャンルでカバーされる名曲である。

南部の町に住む貧しいアフリカ系アメリカ人の生活を描いたオペラ『ポーギーとベス』

第1幕冒頭で、  産まれたばかりの赤ん坊に歌われる子守唄は

1920年代のアメリカの黒人たちの過酷な生活の中で子供の成長を祈る内容のものであり、

詳細を知らずに近年にジャズとして聴くところでは

サマータイムという題名からは想像するに遠いものであるのですが、

理解して聴く事で、その旋律にはメッセージが深く漂い…

歌い継がれる名曲のオーラを感じるのです。

1936年ビリー・ホリデイの歌ったヒット曲から、

現在までには数千回を超えるカヴァーが生み出され、個々のアーティストの個性に歌われてきました、

歴代のカバーの中からひとつ挙げるならば

ブルース・ロック風にアレンジした、ジャニス・ジョプリンのものが有名なところです。

話を今度は『ビリー・ホリデイ』へ移行しましょう。



『ビリー・ホリデイ』(Billie Holiday)

出生名「エレオノーラ・フェイガン」(1915年4月7日〜1959年7月17日)

幼い頃 男の子のような外見をからかわれ「ビル」と呼ばれていた事から、

そのニックネームに父の姓をつけ芸名を『ビリー・ホリデイ』と名乗りました。

そして数々有名ミュージシャンとの共演の中で、フレッチャー・ヘンダーソン楽団の看板スター、レスター・ヤング(サックス奏者)と意気投合し

そこでは別名『レディ・デイ』と呼ばれ、

サラ・ヴォーンやエラ・フィッツジェラルドと並び、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の1人に数えられます。

彼女の生涯は 人種差別や薬物依存症、アルコール依存症と

当時の時代背景と闘争した壮絶な人生であったのです。

当時ビリーは白人オーケストラと仕事をした初の黒人女性であり、アメリカで画期的な出来事とされました。

そしてまた彼女に対する人種差別は消えなかったのです、

ジム・クロウ法なる人種差別的内容の州法がアメリカ南部には存在する時代であり

白人とは別の待遇を強いられる世の中でした…

悲しく嘆かわしい歴史です

その人種差別の惨状を歌った『奇妙な果実』はホリデイの代表作として残ります。

過酷な時代背景の内で人々に求められ

流れる時間に費やした功績には、豪傑の境地たるを見せられ

命の儚さと重さの何たるかを考えさせられます。

生涯を通じて人種差別・性差別と闘い、己の酷使にも動じずに歌い感動を歴史に刻んだ

『ビリー・ホリデイ』は死から約40年後2000年ロックの殿堂入りを果たし、

2003年には、イギリスの月刊音楽誌『Q』により

「歴史上最も偉大な100人のシンガー」にて

第12位に選出されたのでした。

哀しい状況の中でも、愛する我が子に希望を求めて歌う子守唄、

ビリー・ホリデイのサマータイム

最後に歌詞を記して終わります

夏の頃(サマータイム)

夏の頃は
暮らしも楽だ
魚は飛び跳ね
綿花は伸びる
父さんは金持ち
母さんは美人
お眠り  坊や
泣いたりせずに
ある朝  坊やは
立ち上がって 唄う
翼を広げて
空だって飛べる
その朝が来るまで
何も怖がるものはない
父さん母さんが
見守っているから

ジャニス・ジョプリンの記事はこちらから‼️



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投稿者: toshi196747

1967年生 文化遺産 など先人の轍を感じる物事が好きです、又 fenderギター を愛するguitar弾きです。 愛犬cookieに癒されながら、好きな読者と記事更新に勤しんでいます。 人が宿すノスタルジーという心情には夢を含みます、そこには明日の創造へ繋がるインスピレーションを得る『温故知新』が有るのです。 どうぞ過去考察ブログ『time slip cafe retro-flamingo』よろしくお願い致します。